財団法人 日本クリスチャンアカデミー
   
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機関紙「はなしあい」
 

第460号 2004年12月号

 
[主な内容]
 
巻頭言:アカデミースピリットの充満したハウスを 田中紀代三
 
※関西セミナーハウス活動センタープログラム報告
  「もみじまつり報告」 11月23日(火・祝)
※関東活動センタープログラム報告
  宗教対話プログラム
  「東方正教会・ロシア正教会の霊性をめぐって
  ―東西のはざまに位置するその思想風土から―」
  「アシスカ会議に出席して」
  「プログラム案内」他
 

 

アカデミースピリットの充満したハウスを / 田中紀代三(財団常任理事)

 
関西セミナーハウスは、単なる研修や結婚披露宴のためのホテルではありません。クリスチャンアカデミー運動を実践してゆくための拠点であり、特別な空間≠ネのです。対立する考えや解決不可能と思えるような問題に解決の道筋を示し、また日常においてはお互いに相容れない全く異質な、時には対立せる者同志を対話≠ノよって和解せしめ人間性の気づき(出会い)の中で平安を得さしめる運動なのだと思います。"対話゛は単に他人(ひと)とだけ行われるものではありません。草花や絵画との間で、また自分自身や神との間でそれは行われるのです。セミナーハウスはそれを実現してくれる特別な空間でなければならないのです。思い切って言えば、その空気の中で神の存在を予感させるような空間でなければならないと思います。
 どうすればそのような特別な空間(「対話空間」)を創り出すことができるか。広く言えば、ハウスに関わる運営委員や賛助会員の働きも大切ですが、なんといってもハウス職員の働きが最も重要でしょう。厨房・客室・フロントに関わらず、全職員がこのアカデミースピリットをよく理解し、その実現のために働くことが最も重要です。そのことによって、必ずや、神の存在を予感させる対話空間を創出できると思います。ハウスの全職員が、訪問者に対して心を開いて語りかけ、応答する態度が日常化するなら、訪問者にとって、セミナーハウスは、特別な空間となるのです。松村克己先生の文章を、少し長くなりますが引用します。
 
 「対話の場が設定され話し合いが行われるための条件、そこには特に物的・心的―精神的とまではいわぬ―環境が求められる。世の常の研修場やホテルでは間に合わないので、特別に設計され配慮された建物が要求された。これは経済的には大きな負担と犠牲とを伴うことになる。私どもは無理をしてアカデミーハウスを建てた。すでにこれが与えられているからには活かして用いる必要がある。ハウスは便利の良い都会地の喧噪を避けて自然の美しい保養地に立てられることが望ましい。保養地とはいっても温泉地である必要はない。自然との対話ができ、人間の自然が回復され、自分というものが見出される環境が欲しいわけだ。そこでこそ人間が人間として他者と共に生きる自覚と生きる喜びと責任とが経験されることになる。ヨーロッパのアカデミーがどのような場所に建てられているかその建物が『出会いの家』(ベゲーグヌンクスハウス)と呼ばれる理由はそこから理解されるであろう。贅沢ではないが快適な生活の場が用意されることが大切で、快適と言うことの中には物的設備もさることながら、より心的な雰囲気が重要である。心から迎えられ、くつろいで食と時とを楽しめる空気が。それにはハウスに働く人々の間に共同体(ゲマインシャフト)としての心的な人間関係が生きていて、そこに足を踏み入れる者にある種の安らぎを感じさせることが好ましい。不便という途中の犠牲を払って来ても、来て良かったという安堵感が息づいてくれば幸いである。」
 
 京都修学院の地にドイツで生まれたアカデミー運動が、その働きを始めた頃、関西セミナーハウスにはアカデミースピリットが充満していました。訪問者にとっては、非日常の、しかし気づきの場であり出会いの場として極めて魅力的な空間であったのです。そのような空気がこのハウスより抜け出て長い年月がたちます。ハウスの全職員、そして運営委員がクリスチャンアカデミー運動の意味を理解し、その精神を日々の働きの中で実現する努力をしなければならないと思います。僕は、関西セミナーハウスの真の意味での再生を期待します。  
 


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