財団法人 日本クリスチャンアカデミー
   
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機関紙「はなしあい」
 
第467号 2005年9月号

 [主な内容]

*はなしあい
 「生命の意味を問う」<中間報告>
 関西セミナーハウス活動センター所長 田中紀代三

*関東活動センター
 戦後60年と日本のキリスト教(2)アジアとの和解 和解のアクション
 アジアからの和解への提言 呉 在植さん
 日本のキリスト者からの和解への提言 船戸 良隆さん

*関西セミナーハウス活動センター
 人生のあした(朝)と夕べをいかに生きるか
 講演 早川 一光さん
 話題提供 菅  恒敏さん
        榎本 和子さん


*プログラム案内他


 

 「生命の意味を問う」<中間報告>
田中紀代三 関西セミナーハウス活動センター所長

 クリスチャンアカデミーの運動には、私たちの社会に内在する諸問題の中で、特に重要と思われるものを探り当て、「はなしあい」という活動を通して、社会の改善に寄与するという目的があります。
最近の〈医療のため〉の〈生命操作〉は、どの生命も等しく重いという合意を危うくしています。〈医療のため〉なら何でも許されるのか、この問いは、弱さ、老い、病、死を生命の中にどう位置づけるのかの問いにつながります。
 私たちは、準備会を重ね「生命の意味を問う」というテーマで四回のシリーズを始めることにしました。
 第一回は、中絶胎児の研究利用に関して注目すべき発言をされている福島雅典さん(京都大学付属病院探索医療センター教授)を講師に招きました。何時をもって死というのか、については議論が深められているが、人の生がいつ始まるのかについての合意がないままに、医療技術のみが先に進んでゆく。そこには哲学的、倫理的、宗教的な考察が抜け落ちたままである。福島氏はこの現状に疑問を抱き、「哲学のない知識・技術は凶器(狂気)である。」と指摘されました。
 第二回の講師は、今も産婦人科医として活躍されている、椋棒正昌さん(淀川キリスト教病院副院長)で、出生前診断が持つ問題点を、長年の臨床医としての経験から話されました。先生によると、出生前診断は、医学的に胎児の病気を診断する方法で、その目的は妊娠中に胎児の病気を診断し、治療することです。しかし、実際は、診断の結果〈異常な胎児〉は、大半が治療を受けることなく中絶される現状があります。誕生を待たずに〈生命の選択〉がなされている。「親なら誰もが、健康な赤ちゃんが生まれますように、と願うでしょう。しかし、そうした願いを持つことと、その願いが満たされないような命なら中絶するということの間には、大きな断絶があるのではないでしょうか。」と語りかけられました。
 医師、学生、障害を持つ子の親、ソーシャルワーカー、牧師、学者など様々な分野の人々が参加し、内容豊かな「はなしあい」が行われました。参加者の感想文を紹介します。
 ・ 生命の始まりを考える時間をもてたことを感謝します。何も考えず母親になりましたが、そこには多くの恵みと幸せがあったのだと改めて考えました。
 ・ 医学が進歩する現代。人間は限界を超えて未知の世界に踏み込んでしまい、歯止めが利かなくなってしまっている。
 ・ 行き過ぎた科学のあり方に対して、貴重なご意見を頂いて、今後の科学に希望が持てました。
 私たち、関西セミナーハウス活動センターは、今後も質の高い企画を実施してゆきたいと思っています。比叡山の山懐に抱かれた、自然の豊かなこの場所において、ひと時日常性を離れ、心を静め、参加者同士が「はなしあい」をとおして新しい生き方に気づくことが出来れば、と願っています。関東の皆様も、もし時間が許すならば、ぜひこのプログラムに参加されますよう、お願い申し上げます。

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