財団法人 日本クリスチャンアカデミー
   
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機関紙「はなしあい」
 
第472号 2006年3月号
[主な内容]

* 巻頭言 共生のための橋を架ける運動を目指して
  ―アカデミーの使命を巡って―
  財団評議員 棟方 信彦

*関西セミナーハウス活動センター
  第37回 IMF-JC労働リーダーシップコース
  2006年1月11日(水)〜28日(土)

*関東活動センター
  アカデミー新年のつどい
  「希望の原理」 シュペネマン クラウスさん
  2006年1月21日(土)

*プログラム案内他


 

共生のための橋を架ける運動を目指して  ―アカデミーの使命を巡って―
棟方 信彦(
財団評議員

 日本におけるアカデミー運動は既に40年を越える。この運動の発祥の地ドイツでの歴史は50年を数える。
 この時機に日本クリスチャンアカデミーが自らの使命を再認識する意図を持って、理念をまとめる試みを始めたことは時宜にかなったことである。半世紀の時間経過はアカデミー運動を取り巻く環境を大きく変えてきたからである。
 本来運動体にとって、活動の方向を定める上で、理念は不可欠である。しかも開かれた運動体ほど、新しい参加者を協働に向けて導くために、案内図としての理念は欠かせない。また理念は常に立ち返るべき原則として尊重されなければならないし、理念を空文化しないために不断の努力が求められる。たとえば最近のビジネス界を見ると、「ミッション経営」が重要視されており、理念として使命、価値観、行動指針を併せて明記することが目指され、より日常活動への結びつきが意識されている。それと同時に理念を内外に共有化させるコミュニケーションにも努力が払われている点は参考となる。
私自身、アカデミー運動に関わって、この運動のユニークな魅力に触れてきた。その経験から、アカデミーの使命について少し私見を述べてみたい。
 理想を言えば、運動体や組織が社会の中で必要とされるためには、ユニークな役割を規定した使命の独自性がなければならない。他と同じでは存在価値がないのである。その意味では、アカデミーが出会いや話し合いの場や機会の提供だけが存在意義であるとするのは、たとえそれが現実であったとしても、十分ではない。アカデミー独自の達成すべき目的が鮮明でないからである。
 対話の無いところに対話を築く運動が進められるのは、対立と孤立化の世界に共生を作り出すとの目的があるからだと思う。
しかし今日の世界の現実を見るときに、対立する者同士の共生への道のりは遠い。それだけに共生の前提としての場造りの努力が必要となる。共生を支える新しい論理が模索される必要もある。そのための知的な饗宴がアカデミーの言葉の意味であろう。そしてその模索の道を絶やさないためにも、対話と知的協力を支える仕組みとしても、結びつきを保持させるネットワークが求められる。そして真の課題解決のためには、どのような立場の人をも対話に招き入れる力と開放性と発言の自由が前提となる。またこれらのことを実現するためには、運動の担い手としてアカデミー内に社会的にも認められる話し合い技術の専門職を養成することも必要であろう。
さて、最後にアカデミーが
今課題とすべき点に触れたい。言い換えれば「橋を架ける」べき領域である。
 架橋対象は孤立化する個人と集団と一括できる。日本では団塊の退職後、所謂2007年問題が当面重要である。キリスト教の立場から、その文化的価値や生甲斐への関心ニーズを満たす機会は無尽蔵ともいえよう。この為には孤立化に加え内向きで保守化の目立つ団体や教会の脱皮と協働は重要課題である。仮にミッションスクールの同窓会がネットワーク化されれば、団塊の関心層へのアプローチを現実化すると共に周辺層へのインパクトともなろう。霊性、公正、平和、いのちへの関心は普遍的であろう、これらの直近の課題への創造的提言の情報発信も焦眉の急である。
(日本キリスト教団牧師)


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