財団法人 日本クリスチャンアカデミー
   
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機関紙「はなしあい」
 
第476号 2006年7・8月号
[主な内容]

* 巻頭言 私とキリスト教
  財団評議員 藤田 実

*関西セミナーハウス活動センター
  ●2006年度「第2回生命の意味を問う」
   良い死?

   立岩 真也さん
   2006年5月20日(土) 

  ●2006年度「開発教育入門セミナー」
   コーヒーカップの向こう側

   ー貿易が貧困をつくる?−
   2006年6月3日(土)

*関東活動センター
  ●マリンズが見る日本の教会
    国民人口比1%の枠を超える可能性はあるか?
   マーク・R・マリンズさん
  2006年6月16日(金)

*2005年度事業報告・収支決算報告
  
  
プログラム案内他


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新世代エキュメニズムの模索
藤田 実(財団評議員)

 私の家族にはクリスチャンは一人も居りませんでした。戦後未だ10年も経っていない時でしたが、父親が神戸六甲山の近くに男子の教育を厳しく行うドイツ系の私立中学校、高等学校があると聞いてきて、その学校を受験し、昭和29年に入学しました。その学校はイエズス会系の学校であり、勉強もさることながら、運動、宗教、徳育ということになかなかうるさいことでも有名でした。2、30人の先生方の中に、ドイツ人、アメリカ人、スペイン人の先生、神父方が居られるという珍しい学校でした。中でも英語の成績がたまたま良く、また、バスケットボールの選手であったせいか、英語を教えるとともに、バスケットボールのコーチを兼務しておられたアメリカ人としては小柄な神父との出会いがありました。中1の時より、公教要理に通い始め、中2の時に洗礼を受けました。両親は一時大変心配を致しましたが、その先生の人柄にふれて受洗の承諾を致しました。時折、振り返りますと、もし私に宗教心とか、生と死とか、死後の世界とかを考えさせ、実践へと導いてくれた人がいるとすれば、この神父をおいては考えられないと思っております。残念なことに数年前、神父は老人性アルツハイマー症にかかり、今は教え子の顔も分からなくなり、東京の練馬にある老人センターで余生を送っておられます。
 さて、中学、高校時代、また、大学時代、社会人となってからも、年1、2回は先生をお招きし、同窓会に参加してもらって、その時々のスピーチをしてもらっていました。学生時代は友達を大切にする事、結婚式の司式をすると、奥さんと子どもを大切にする事、また、日本の会社の人事システムである単身赴任は理解できないし、絶対反対である等といった事を話していました。また葬式に於いては、死を恐れることは無いと説教し、人生のすべては死を喜んで迎えるためのものであり、もっと良いことがあると教えさとしました。師を知る人々は何ら違和感を感じないが、参列している非信者の人々は多少驚く様であり、時折、あれがクリスチャンの教えかと思う人々もいるようです。
 私を含めて、さすがに、この年令になると、全員が友人や愛する人々との別れを経験しているので、師が折りにふれて言った事が胸に響きます。死を迎える順番が年令順であるとするならば、自分もいよいよあと何年かと考える様になっています。そんな時、神戸在住の島田恒理事より、クリスチャンアカデミーの評議員のお誘いを受け、何かお役に立てればと思い、お引き受けしました。本当にお役に立っているかどうか誠に心許ない事ではあるが、年数回の評議員会にはできるだけ出席し、発言をする様心がけているつもりです。クリスチャンアカデミーも一時の厳しい時期を克服し、いよいよそのミッションとプログラムが問われる時を迎えた様に思います。私が今日ある事の核心をなす師の教えの一端でも皆様方と分かちあえる事ができればこれに優る喜びは無いと思っています。
 最後に、この学校の校庭には初代校長で神父でもあった方の言葉が岩に刻まれて校庭に置いてあります。今となってはしみじみと胸に響きます。
「すべてのものは過ぎ去り そして 消えていく。その過ぎ去り消えていくものの裏に在る永遠なるもののことを静かに考えよう。」
(株オグルヴィ・アンド・メイザー・アジア/大洋州取締役リージョナルディレクター)

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