財団法人 日本クリスチャンアカデミー
   
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機関紙「はなしあい」
 
第477号 2006年9月号
[主な内容]

* 巻頭言 開発教育セミナー ―来し方と展望―
  財団評議員 岩ア 裕保

*関東活動センター
  ●対話集会「高橋哲哉さんと語る」
   〜ヤスクニ問題をどう超えることができるか?〜

   2006年7月14日(金) 

*関西セミナーハウス活動センター
  ●2006年度「第3回生命の意味を問う」
    生命の意味 ―生命科学研究の現場から―
   谷村 禎一さん
  2006年7月14日(金)〜15日(土)


  ●2006年度第1回開発教育セミナー
    観光で終わってはいけない沖縄 ―授業で、修学旅行で考えよう!―
  2006年6月24日(土)〜25日(日)
  

  ●2006年度第2回修学院キリスト教セミナー
    家の教会・日本の教会 ―出会いと対話の今日的意義―

   佐伯 晴郎さん
  2006年6月24日(土)
  

プログラム案内他


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開発教育セミナー ―来し方と展望―
岩ア 裕保(財団評議員)

 関西セミナーハウスの創設のことを耳にしたのは、私が未だ大学生の頃でした。FRIEND PEACE HOUSE 同志社布哇寮で暮らしていた私はその存在を知るのみでしたが、89年に第1回目の「開発教育推進セミナー」が開催された時から直接の関わりを持つようになりました。現在では「開発教育研究会」の運営委員長、またハウスの運営の任も仰せつかり、ここ10数年は毎月のようにハウス通いをしています。
 欧米より10数年遅れて日本でも「開発教育」運動が始まり、その実践グループ養成を目指して、89年に「開発教育推進セミナー」が関西セミナーハウスで始まったのは、平田哲所長(当時)の先見でした。当時関西セミナーハウスでは、「京都議定書」の成立を見た国連の会議にあわせて「民間の環境国際会議」を開催したり、大阪でAPECが開催された折にもアジア太平洋から民間人が集う会を持つなど、社会的なメッセージを発信していました。そんな中で、開発教育研究会はその分野における関西での先駆者というだけでなく中心的役割も果たしてきました。今関西以西で開発教育を担っている人びとの中には、関西セミナーハウスでの学びが核になっている人がたくさんおられます。また、日本における開発教育の牽引車としての働きは誰もが認めるところです。
 その証の1つが『新しい開発教育のすすめ方』(古今書院)です。阪神淡路大震災の年の出版ですが、版を重ね今でも新しい読者を獲得し続けている「事例研究集」です。人権教育などさまざまな団体や組織から「引用させて欲しい」という問い合わせも多々あり、中学校の社会科教科書にも1つの事例が載せられています。「貧困」「人権」「環境」の3つの柱で研究会の成果を世に問うた研究会は、次に「難民」という切り口から開発問題を捉える試みをしました。UNHCR国連難民高等弁務官事務所(東京)の協力を得られたことは最大の強みでした。スーダン難民の描いた絵をスカーフの絵柄にしたエルメスも、その絵を表紙に使わせてくれました。この『新しい開発教育のすすめ方U 難民』(古今書院)を使って、UNHCRは難民のワークショップを国連大学で毎年実施しています。参加者の中から運営委員を選んで、セミナーのテーマの設定も運営も内発的に参加型で行ってこられたのは幸いです。
 現在は第3冊目に取り掛かっており、そのテーマは「日本の開発問題」です。開発問題を教育という場で取り上げることの意義を15年以上追求し続けてきて思い至ったことは、自分たちが暮らす社会の課題を見つけてそれを学びのプロセスに乗せることこそ必要だということでした。先進国というのは過剰開発国であるだけでなく、実はその中に低開発を残しているのです。そうした状況の中で「自覚的な市民」が社会の多数派になれば「持続可能な社会」に向けて希望が持てる、参加で公を立て直すことができる、というシステムを作り出すために教育を再構築しようという提案をしていきたいのです。ローマクラブは、その報告書の1つ『限界なき学習』で「参加」と「先見」を組み合わせた学習を提唱しています。こうして見ると「開発教育」は「市民教育」としてこれからもその働きの意味がありそうです。
 関西セミナーハウスという緑に囲まれたゆったりした空間での時間がいつも「元気」をくれています。感謝。
(関西運営委員・帝塚山学院大学文学部教授)

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