財団法人 日本クリスチャンアカデミー
   
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機関紙「はなしあい」
 

第483号 2007年4月号

[主な内容]

巻頭言 アカデミーは何を目指すか
  財団常任理事・関西セミナーハウス活動センター運営委員長  小久保 正

*関西セミナーハウス活動センター
  ●2006年度第2回はなしあい「人生の朝と夕べをいかに生きるか」
   「人間の尊厳をみつめて生きる」
    2007年3月2日(金)〜3日(土)

  ●2006年度第5回修学院キリスト教セミナー
   「共同体の歴史としてのキリスト教」
    2007年2月17日(土

*関東活動センター
  ●宗教対話プログラム
   「キリスト教はどこまで寛容か」
    2007年3月11日(土)

*新任あいさつ 「対話」のちから
  関西セミナーハウス活動センター所長  奈良 昭彦

*プログラム案内他

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アカデミーは何を目指すか
財団常任理事・関西セミナーハウス活動センター運営委員長  小久保 正

去る2月、東西の運営委員が関西セミナーハウスに一泊し、アカデミー活動は何を目指すかについて語り合った。そこで話し合われたことを、さらに発展させることを願って、2・3の点について私見を述べてみたい。
アカデミーは教会にどう接続するのか、との疑問について。
かつて、シュペネマン理事長が、アカデミーは教会の社会への窓である、と述べたことがある。その意味で、アカデミーは、各個教会が単独ではなし得ない社会的なプログラムを、教会に代わって、神様からの委託として行うところでありたいと思う。従って、各個教会も、アカデミー活動をこのように理解して下さって、賛助会員として継続的に、献金とプログラム参加者を送ることを通して、この活動を支えて下さることを期待している。
よく似たプログラムが多すぎる、他の団体と共催にしては、との意見について。
アカデミーのプログラムの中に他団体と共催できるプログラムがあるかどうか検証してみることは、意味あることである。しかしその結果、よく似たプログラムが他団体に見られるなら、それを共催にするのでなく、むしろそちらの団体にお任せしたらよい。アカデミーは、アカデミーにしかできないプログラムを開催するために小さい力を集中させたいと思う。
アカデミー独自のプログラムとは何か、との質問について。
アカデミーの理念は、その第2項において、対立の多い現代社会において、新しいヴィジョンが生まれるためのはなしあいを行う、と言っている。
例えば現在対立の際立った課題の一つにES細胞研究がある。科学者の多くは、今これを推進しなければ他の国に遅れると主張し、宗教者の多くはその推進は生命の尊厳を犯すと主張している。このような場合、国は審議会を設置し、それぞれの立場の意見を聴取した後、「色んな意見があるのですね、それでは多数決で決めましよう」と言って、国の方針を決める。そして少数者は何を言っても聞いてもらえないと嘆く。
私たちは様々な問題についてこんなことを何度繰り返してきたであろう。こうした状況を打開する道は無いのだろうか。例えばアカデミーは、ES細胞研究の問題に関して、科学者と宗教者を次のような条件の下で対話の席に招くことはできないであろうか。どの人も自分の属する組織を代表して発言しない。例えば宗教者は、キリスト教ではどう考えるか、仏教ではどうかなどの議論はしない。むしろなぜES細胞研究が生命の尊厳を損ねることになるかを、理にかなう根拠づけをもって、科学者が納得できるように説明する。科学者は、これを推進しなければどんな損失を国民が蒙るようになるかを、理にかなう根拠づけをもって、宗教者が納得できるように説明する。誰も自分の立場にこだわらない。相手の意見によっては、自分の意見を変えることがあり得ることを予め覚悟する。そんな対話が、対立していた者の間で始まったら、そこから新しいヴィジョンが生まれることを期待できないであろうか。
この種の対話は、その他の、憲法第9条や、北朝鮮問題などの対立の激しい問題にも有効な筈だ。この種の対話が扱えない問題は無い。アカデミーはこんな形で、正義、平和、いのちが尊ばれる社会の実現に寄与できないであろうか。  (財団常任理事・中部大学生命健康科学部教授)


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