財団法人 日本クリスチャンアカデミー
  
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機関紙「はなしあい」
 

第489号 2007年11月号

[主な内容]

巻頭言 富める貧しさ
  財団監事  飯田 義雄

*関西セミナーハウス活動センター
  ●2007年度第3回開発教育セミナー
   「対立を超えて 〜子どもたちが自ら考える問題解決〜」
    2007年9月15日(土)〜16日(日)

  ●お茶こころえの会「修学院でこころ豊かにお月見いかが?」
    2007年9月26日(火) 

  ●2007年度第4回開発教育セミナー
   「多文化共生をめざして 〜在日外国人にとっての日本社会〜」
    2007年10月6日(土〜7日(日)

*関東活動センター
  ●対話プログラム 「十字架の神学」セミナー(その2)
   ターグング「『十字架の神学』をめぐって」
    2007年9月23日(日)〜24日(月・休)

*プログラム案内他

[PDFダウンロード]
 
  はなしあい 「はなしあい 第489号(PDF版)」をダウンロードする。


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富める貧しさ
財団監事  飯田 義雄

「経済財政白書」でバブル後と呼ばれる時期を確実に抜け出したと宣言し、三年経過しているが、かってないほど多くの人々が不安や危機感を抱いているのも事実と思う。  
家族の絆と子供の未来、教育崩壊、環境問題、治安の悪化、自殺者の増加、漂流する若者、
大量定年時代を向かえ、余生を如何に生きるか、自由競争によって引き裂かれた社会格差、手の届かない水面下には取り残された?人々の不安や不満が渦巻き、溝は深まるばかりだ。
従来の日本は、リスクから弱い立場の個人を守り支援するある種のセーフティネットが整っていた。それは共に生きる家族であり、地域コミュニティーであり、雇用確保の企業であった。 このようなセーフティネットが、人々に精神的な安定をもたらしていた事は事実であろう。   
また、世界に目を向けると不毛な国同士、民族同士、宗教同士、地域同士、というように統一原理を見失った人類の無秩序な闘争が多発するようになってきた。理想を追うために生じる混乱が貧困を生み、理想自体に疑問を投げかけているのである。世界中が金に飽かして豊かさに近づこうとしている感が深い。贅を尽くして精神的豊かさを追求しているかのようだ。
 豊かである事は悪い事ではない。豊かで問われるのは物質的な面と精神的な面の問題である。衣食足って礼節を知ると言われるように、両者は影響し合う関係にある。物質的貧困はとかく精神的な豊かさをそこなわせる。しかし豊かな精神は、貧しい物資的環境にあっても豊かさを享受するものである。それと共に逆の現象もおきている。物質的豊かさが精神的豊かさを蝕むことである。貧困が人を鬼畜のような精神状態に追い込むこともある。何はともあれ、人は豊かさを追い求めている。貧しさを求めることは無い。しかし豊かさを求めながら、結果的には貧しさを追い求める結果になってないだろうか。物質的な豊かさを追求するあまり、反比例的に精神的豊かさを喪失しているとすれば悲劇である。物質的豊かさによってだけでは、容易に豊かな精神は育成され得ないところに難しさがある。精神的豊かさは目で見る事が難しい。簡単に量れない。単なる努力によってえられるものでもない。
  アカデミーの理念に基づいて、この様な時代プログラムを実施する時、私達は時が変わり世が移つても、変わることの無い土台の上にすべてを築く事をたえず念頭においておくべきである。それはいたずらに旧習に固執したり、頑固に時流を否定する事でなく、変化に真に適切に対応していくための欠くことのできない要件としてである。浮き草の水に流されるようなあり方は、真の時代への対応とは言えない。激動の現代に私達が主体性を持って運営していく事は、おそらく容易ではない。結構経済的には豊かであるにもかかわらず、それを生かすことの出来ない貧相な国において、落ち着いてしつかり考える環境に欠け、時間も失いがちである。動かざる信仰にしつかり立って激流を激流とし感じる時、真に私達のなすべき事が分かると思う。アカデミーの理念を具体化する努力を通し、深いところで孤立して生きている人々に寄り添い生きる共助の世界を創り出し、顔と顔を向かい合わせ、息使いを感じながら言葉を投げ交わし、互いに新しい視点を獲得していく機会が、今まで以上にアカデミーに求められていると思う。 
(日本パナユーズ株式会社営業推進室長)

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