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機関紙「はなしあい」
 

第493号 2008年4月号


[主な内容]


巻頭言:いのちをまもる ― 評議員 平田 義

 

*関西セミナーハウス活動センター

   ●2007年度第2回はなしあい「人生の朝と夕べをいかに生きるか」 
       「支えあういのち 〜人生の現場から」

   ●第39回IMF-JC
      労働リーダーシップコース 


*関東活動センター

   ●公開対話プログラム
      「信頼できる隣人になるために
        〜市民の立場から日朝の新しい関係を模索する〜」

*就任ご挨拶 ― 薛 恩峰

*プログラム案内 他



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いのちをまもる
評議員 平田 義

   私は今、京都市伏見区向島において様々な障がいのある人たちと日々出会っています。その出会いの中で日頃感じていることをご紹介させていただきます。
 重症心身障がい者と言われるKくん(25歳)。彼は、重度の身体障がいと知的障がいを併せ持ってる方でなおかつ医療的ケア (痰の吸引が常時必要、気管支拡張剤の吸入、胃に直接管を通しての経管栄養剤の注入などで、医師や看護師が行う医療行為と、食事の介助やトイレの介助などの生活援助行為の間にある医療的生活援助行為のこと) が必要な方です。
 彼とのそもそもの出会いは今から8年前、彼が高校2年生の春先でした。その前年、私たちは障がいの種別や年齢の枠を越えて地域で生きていくために何らかの支援を必要としている障がいのある方々を対象に新しい運動を起こそうと準備会を開きました。その席上で私の正面に座る一人のお母さんが、会議が終わりに近づいた時、おもむろに手を挙げて発言されました。 「ちょっと平田さん、あなたはどんな障がいのある人でも受け入れるって言うたけど私の横に座ってるこの人の息子さんは疾の吸引が必要な子なんや。そんな子でもあんた受け入れるのか!」 と、鋭い口調で私を問い質しました。私は正直、その時点では疾の吸引とはどういったものなのか全く知識がありませんでしたが、次のように答えました。「お母さんがやってはるんですよね。それならばお母さん、僕たちに教えてください。」 と、何も知らない強みで答えてしまったのです。
 これがきっかけとなって私はKくんをはじめとするいわゆる医療的ケアを必要とする人たちと出会ったのです。
 この間のKくんたちとの出会いから教えられたことは「命の重さ」 ということです。彼らは日々死と隣り合わせで精一杯生きていると言っても過言ではありません。排痰が難しく呼吸状態はいつも不安定ですし、誤嚥性の肺炎などで、高熱がでることも多々あります。また、彼らと同じような障がいのある人たちの中には、昨日まで元気に笑顔を見せていた人が原因不明の突然死するような例も少なくありません。だからといって医療設備の整った病院の中で過ごさなければならないのでしょうか? 陣がいが重くても、日々いろいろな刺激を受けながら地域の中で自分らしく生きていくことは、人として当たり前のことではないのでしょうか。
 福祉の父と呼ばれた糸賀一雄さんは重症心身障がい者の人を指して次のように言われました。
 「この人を世の光に」
 この意味は彼らこそがこの世の中に光をもたらす、すなわち、彼らこそが社会を変革する力を持っているのだということを示したものです。
 彼らの存在が、社会の片隅に追いやられることなく、一人の人格のある存在として認められていくことが、今の社会に求められていることではないのでしょうか。
 「アカデミーの理念」 の一つに 「アカデミー運動とは、社会と人々の持つさまざまな価値の多様性を尊重しながら、正義・平和・いのちが尊ばれる社会の実現を目指す運動である」 とあります。
 福祉が劣化し、社会的弱者が切り捨てられ、いのちを奪うための軍事費にはお金を湯水の如く使い続けるこの社会において、本当の意味で、いのちが尊ばれる社会の実現のためにアカデミー運動が果たすべき役割は重要であると考えています。  (社会福祉法人イエス団愛隣デイサービスセンター)

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